今回の記事は、どちらかというと中学生の保護者向けの記事です
もちろん現役中学生が読んでも参考になると思います
中学生になると塾に通う子は多くなります。小学生の頃と違い、学校の成績によって今後の進路が決まってくるので、成績を意識して塾を利用することになるのでしょう
親の心理としては、周りの子が行くのだからと不安になり子どもを塾に行かせる方もいます
では、中学生は本当に塾にいかないと成績は伸びないのでしょうか?
私は塾に通うことが、子どもの成績をアップさせる、最善の方法ではない考えています
今回はそのことを、実体験を含めながら解説していきます
どのくらいの中学生が塾に通っているのか
中学生はどのくらいの子が塾に通っているのでしょうか。(出典)文部科学省の「子供の学習塾日調査」では、公立中学校に通う子の約7割、私立中学校に通う子は約5.5割が塾に通っているようです
公立中学校の子の通塾率が高いのは、私立中学と違い高校受験が必要になるためでしょう
このデータは地域によって差はありますし、学年が上がるにつれて塾に通う子は増えてきます

うちの子の成績が伸びないのは,塾に行ってないからだ
そんなに塾へ行っている中学生がいるなら、うちの子もすぐに行かせないと
子どもの成績が伸びない場合、果たしてそれで解決するでしょうか?
中学生が塾に通う5つの理由

では、どのような目的があって多くの中学生は塾へ通うのでしょうか
そこには、5つの理由があると思います
- 定期テストの点数が悪かったり、通知表の評定が悪いため
- 家庭学習をする習慣がないため
- 周りの子も塾へ行っているので、行かないと不安という集団心理
- 高校受験のことを考えて
- 自分で学習をする習慣が身についているが、難関校を目指したいと考えているため
この5つの理由について、詳しく説明をしていきます
定期テストの点数が悪かったり、通知表の評定が悪いため
中学校の授業は、学習範囲が広く授業のペースも速いため、一度つまづくとテストの点数や通知表の評定に明確に表れてきます
そのことは、以下の記事に詳しく書いてありますので参考にしてください
これは、成績を目の当たりにして、「このままではヤバい」という親や子どもの危機感から、塾へ通うケースです
家庭学習をする習慣がないため
小学生の頃から、家庭学習をする習慣が身についていない子は、中学生になっても変わらず家庭学習に取り組むことは難しくなります
そのため、「勉強をする機会を作る」という目的から、保護者が強制的に塾へ通わせるケースです
周りの子も塾へ行っているので、行かないと不安という集団心理
上で書いた通り、公立中学校に通う子の7割が塾へ通っています。
そのため、周りの子の多くが塾へ通っている状況に不安を感じる保護者は多く、「うちの子も塾へ行かないとおいていかれる」と考えたり、子ども自身も、「友達が行っているから」「クラスの子の多くが塾へ通っているから」というように考えるようになります
これは、明確な目的があるというよりも、周囲の影響を受けて「何となく不安だから」という集団心理が働いて塾へ通うケースです
高校受験のことを考えて
中学受験をしていない家庭では、高校受験は、子どもにも保護者にとっても初めての受験となることがほとんどです
そのため受験対策のため、受験のノウハウや必要な学力を身に付けることを目的として、塾に通うというケースがあります
自分で学習をする習慣が身についているが、難関校を目指したいと考えているため
すでに家庭学習の習慣が身についていて、成績も良いけれど、難関校への進学を目指したいという子どもや保護者の思いから塾へ行くこともあります
これは、モチベーションが高く、成績をより伸ばしたいと意欲的になっていて、「限界突破」を目的としたケースです
塾に通うと、必ず成績が伸びるとは限らないことを理解しましょう
以上の目的から、塾へ通う中学生は多くいますが、通う前に理解しておくべきことがあります
塾に通うと、必ず成績が伸びるとは限らない
ということです

もともと全然勉強をしなかったんだから、塾へ行くと、少なくとも今よりは成績は伸びるはず
こんな風に思い込んでいる、子どもや保護者は大変多くいます
もちろん伸びる子もいますが、全く伸びない子もいるのです

中学生になったんだし、ちゃんと勉強をやらないとダメだ
せっかく塾に通うことにもなったし、将来のことも考えて、頑張ろう
子ども自身が勉強をして、成績を伸ばしたいという意欲があるのであれば、塾で多くのことを吸収することができるため、成績アップが期待できます

勉強…塾に通ってまで、やりたくないよ
でも行かないと怒られるし…
しかし、その意欲がないのであれば、塾へ行ったとしても効果は期待できません
塾へ通うにしても、通わないにしても、大事なのは本人の意欲・モチベーションなのです
塾に行くことよりも、本人のやる気をアップさせることを保護者は心がけるべき

塾へ通ったからといって、必ずしも成績が伸びるとは限らないことは理解していただけたかと思います。ではどうしたら子どもの成績を伸ばすことができるのでしょうか?
保護者から、アドバイスを明確にすることが大切
叱ることを、アドバイスと勘違いしないようにしましょう
保護者の方は、子どもに「なぜ勉強をした方が良いのか」というアドバイスをしてあげましょう
大切なのはアドバイスです。叱ることではありません。そして「どうせ私が言ってもやらないし」と投げ出さないでください

このテストの点数は何だ!
もっと勉強しなさい。ゲームばかりするなら、スマホは募集する!
塾に行って勉強をしなさい
こう言いたくなる気持ち、とても分かります
でも、この言い方を100回しても、子どもには響きません。そのような子どもは、「どうして勉強をしなければいけないのか」ということが、理解できていないからです
保護者の方に質問です。「なぜ子どもに勉強をさせて、成績を伸ばしたいと思われていますか?」
正直、成績が伸びなかったとしても、子どもにあったレベルの高校は色々あります。また今の時代、学校の成績が悪かったとしても、アイデア次第でお金を稼いでいる人はたくさんいまし、学歴に関係なく、仕事ができる人はたくさんいます
おそらく、子どもに勉強をしてもらいたい明確な理由があるはずです
保護者自身が考える、「勉強をした方が良い理由」を明確に子どもにアドバイスして、一緒に向き合ってみてください
塾へ通わせることよりも、勉強をしなければいけない理由を子ども自身が理解することができることの方が、大事なのです
勉強をしなければいけない、明確なアドバイスの例

お父さんみたいな医者になるためには、もっと勉強しないといけないよ
将来はうちの病院を継いでもらいたいと思ってるんだ

お父さんは、中学校の時に勉強が嫌いで全然やらなかったんだ
その結果、大人になったときにやりたい仕事につけなくて、すごい苦労したよ
そんな風になってはもらいたくないと思ってるけど、自分ではどう思う?

今のままだと、自宅から遠くの高校にしか行けないよ?
近くの高校に行くためには、もう少し点数獲れるようにならないと
遠い高校だと3年間通うの大変になるけど、いいの?

将来お金を稼ぎたいと思う?別に学力がなくてもそれはできると思うけど、
やっぱり学力があったほうが、可能性は広がるんだよ
将来欲しいものをなんでも買いたいと思うなら、今絶対に頑張るべきだよ
以上は例です。保護者が子どもに勉強をしてもらいたい理由は、人それぞれ違うでしょう
その理由を出来るだけ明確に、分かりやすく伝えてあげてください。そしておそらく一度のアドバイスでは子どもは理解できません
勉強をやらなければいけない理由を、「明確に」「繰り返し」伝えてあげることで、本人のやる気はいつあがるはずです
もしも塾へ通わせること保護者が考えるのであれば、モチベーションが上がった時点で通わせると良いでしょう。もしかすると、子ども側から「塾に行きたい」という話がでるかもしれません
しかし、このアドバイスでモチベーションが上がったのであれば、塾へ行かなくても、親のサポートで十分勉強をするようになり、成績は上がると思います
中学入学当初は、成績が中間だった我が家の子どもに送った、アドバイス

我が家の子どもは中学校3年間、一度も塾へ行きませんでした。しかし市内では、上位の公立高校へ合格をしています
「もともと勉強できたからでしょ?」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません
子どもは、クラブチームでサッカーをやっていて、平日は週3日21時~22時まで練習、土日も練習や試合があり、とても忙しかったです。また、「勉強は嫌い」「勉強なんてしたくない」と公言するくらいにモチベーションも低かったため、最初の中間テストでは200人中60位代でした

どのようにしたら、この子の勉強へのモチベーションを上げることが出来るのだろうか?
うちの子の性格と考え方はこんな感じです
- サッカーが好き
- スノーボードが趣味で、冬は毎週でも行きたい。スキー場でインストラクターのアルバイトをしてみたい
- 友達と遊びに行くことが好き
- 物欲が強く、好きなものを買いたい
- 具体的に就きたい職業があるわけではないけども、お金を稼げる仕事に就きたい
そこで私は3年間、次のようなアドバイスを何度も何度もしてきました

やりたい仕事が決まってないなら、将来の選択肢が広がるから
とりあえず大学へ行った方が絶対にいいよ

大学へ行ったらアルバイトして好きに遊べるよ
人生で一番楽しいのは大学の頃だと思う
大学へ行くと、好きなことや楽しい思いが出来て、将来にもつながるんだろうね

そのためには、今のままじゃ大学進学できるレベルの高校へは行けないよ
将来苦労するね。遊べないね。お金稼げないね…
それでいいならいいけど…
なりたい自分になりたいなら、今一生懸命勉強しないといけないと思う
今しないと本当に後悔することになるよ
こんなことを、何回、何十回も言い続けてきました
最初は聞き流していた子どもですが、そのことがようやく心に響き理解したのが中2の夏頃だっとと思います。学校の三者懇談でも「大学へ行きたいです」という明確な目標を口にするようになりました
それまでは親の言葉に反発していた子どもでした、自分の中で覚悟が決まると一気に勉強へのモチベーションが上がります
定期テストでは平均20~30位前後まで成績が上がり、最高は学年で9位まで成績が伸びたのです。結果ランクも上がって、目標とする公立高校へも合格することができました
まとめ
塾へ通わせることは、決して悪いことではありません。しかし子どものモチベーションによっては、逆に良いことでもありません
保護者の心がけとして大切なのは、「子どもに、どのようになってもらいたいのか」を考え、「子どもは、どのようになりたいと思っているのか」ということを理解してあげること。そして勉強へのモチベーションを上げるようなアドバイスをすることです
うちの子どもの実例をとっても分かる通り、塾へ通わせる以上に、やる気が出てモチベーションが上がった子どもに勝るものはきっとありません
やれば可能性は広がる、やらないのであれば可能性はゼロ
中学生が、このことを自分で理解するのは難しいので、そこには保護者からの明確なアドバイスはとっても大事になります
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